世田谷線デハ87号のプロフィール

塗装が完了した601号（元デハ87号）／2018年8月18日宮の坂駅（宮坂区民センター）
「仕上げの一筆」記念式典終了後の601号（元デハ87号）／2018年8月25日宮の坂駅（宮坂区民センター）

製造年	1953年
製造所	川崎車輛
鋼体化前の車号	デハ29号（1925年6月24日入籍・1942年5月1日に45号から改番）
入籍日	1953年4月19日（昭和28年12月16日付鉄監第1213号設計変更認可）
改番日	1969年5月11日デハ104号→デハ87号
廃車日	1970年4月30日江ノ島鎌倉観光へ譲渡
江ノ島鎌倉観光入籍日	1970年9月1日（601号）
江ノ島電鉄廃車日	1990年4月28日（601号）
宮坂区民会館保存展示開始日	1990年7月6日
その他履歴	1955年（昭和30年7月22日付許可）集電装置変更（ビューゲル→パンタグラフ） 1965年（昭和40年10月22日付認可）蛍光灯変更（AC→DC）、尾灯の照度変更
その他特徴	・1969年5月11日の世田谷線への移行後も「連結二人乗り」改造が行われませんでしたが、廃車までの短期間、2両編成で営業運転に就きました。・江ノ電での廃車後、宮の坂駅前に建設中だった宮坂区民会館（現：宮坂区民センター）内での保存展示が決まり、江ノ電極楽寺検車区で整備のうえ、世田谷線と同じ東急グリーン1色の車体色に塗られて搬入、宮の坂駅下りホームに横付けされる形で展示されています。なお同車は玉電時代のツートンカラーのまま江ノ電へ譲渡されており、現役時代に東急グリーン1色となったことはありませんでした。

玉電歴史年表・世田谷線データベースから

　玉電歴史年表・世田谷線データベースからデハ87号に関する出来事を抜粋しています。

1953年4月19日

デハ29号が鋼製車体化、デハ104号に改番

川崎車輛で製造された鋼製車体に廃車車両の機器を流用したうえで完成したが、新製車両ではなく車体更新扱いとなった。デハ20形からデハ80形に編入された。
1969年5月11日

デハ104号をデハ87号に改番
1970年4月30日

デハ87・88号が廃車、江ノ島鎌倉観光株式会社へ譲渡

江ノ電ではデハ87号→601号、デハ88号→602号となり、2両固定編成に改造されて1970年9月1日に入籍した。
1990年7月6日

宮の坂駅下りホーム隣接の宮坂地区会館で江ノ電601号が保存展示開始

「世田谷線宮の坂駅界隈づくりコンペ」の採用案に基づき、宮の坂駅前に世田谷区立宮坂地区会館（現：宮坂区民センター）が建設され、隣接する宮の坂駅下りホーム上屋の建て替えが行われた。これにあわせ江ノ電で2000形導入と入れ替わりに1990年4月28日付で廃車された601号を里帰りさせて下りホーム隣接地に保存することとなり、7月6日から世田谷線の塗装である緑一色に塗られた姿で展示された。
なお本採用案の時点では、世田谷線から地区会館敷地内に線路を引き込み、現役車両を下りホームに向かい合わせで留置可能とする計画だったが実現しなかった。
2018年8月25日

江ノ電601号「仕上げの一筆」記念式典が開催

宮坂区民センターの江ノ電601号に2008年以来となる修復工事が実施された。これは世田谷区のふるさと納税「90年以上の時を経て、みんなの『玉電』をよみがえらせたい！」プロジェクトによるもので、283名から5,502,000円の寄付金が集められた。
修復後の8月25日に寄付者を集めた記念式典を開催し、世田谷区長と寄付者代表により車体表記への仕上げの筆入れが行われた。