世田谷線各駅紹介 SG10下高井戸駅

世田谷線各駅紹介 [SG10]下高井戸駅
SG10

下高井戸

しもたかいど

Shimo-takaido 下高井户 시모타카이도

営業キロ程三軒茶屋起点5.0km
所在地東京都世田谷区松原3-29-17
ホーム構造2面2線
開業年月日1925年5月1日
1日の乗降客数16,566人(2023年度 国土数値情報 駅別乗降客数データより)

開通当時の平面図
世田谷線各駅紹介 [SG10]下高井戸駅
国立公文書館所蔵「下高井戸停留場設備図新旧対照(1924年4月20日付申請書)」をもとに作図
現在の周辺地図

沿革

 1925年5月の世田谷〜下高井戸間の開通と同時に開業しました。開通当時の所在地は松澤村でしたが、高井戸村との村境に位置し、現在も駅のすぐ北側を世田谷区と杉並区の区境が通っています。下高井戸の駅名は、先に開通していた京王電気軌道が名付けたもので、当時の所在地は松澤村大字松原字七軒町でしたが、当地がかつて甲州街道の下高井戸宿として栄えた宿場町だったことから駅名に採用されました。高井戸の由来は、付近に高い井戸があった説や、高いお堂から高井堂と呼ばれた説など諸説あるようです。
 開業当初は2面2線のうち片側のホームが京王線下り線と共用されていました。京王電気軌道と玉川電気鉄道との合意によるものでしたが、構内の責任分界について明確化するよう当局から要請があり、1928年4月に協定書が交わされました。ところが、1930年代に入ると京王の車両の大型高床化が進み、ホームの嵩上げが必要になると両線のホームは分離され、実際の共用期間はわずかでした。1940年には線路終端部を三軒茶屋方に短縮させて空いたスペースに出札所が設置され、京王線とは改札も分離されました。
 1945年頃には、同じ東京急行電鉄となった京王下り線の新宿方から玉川線上り線に繋がる連絡線が設置され、終電後に京王の電動貨車によって桜上水工場〜大橋電車庫間の社用品輸送列車が運転されました。連絡線の撤去時期は定かではありませんが、1948年までには撤去され、同じ頃に2面1線化されました。
 1993年10月には京王線下高井戸駅の橋上化に伴い、駅事務室と定期券うりばが橋上駅舎に組み込まれ、ホームも全面的に改装されました。
 今後、京王線の高架化工事により、下高井戸駅周辺では大規模開発が計画されており、世田谷線のりばも大きく変貌を遂げることが予想されます。


 玉電歴史年表世田谷線データベースから下高井戸駅(停留場)に関する出来事を抜粋しています。


  • 世田谷〜下高井戸間3.1km(世田谷線)が開通

    上町停留場、豪徳寺前停留場、宮ノ坂停留場、山下停留場、六所神社前停留場、七軒町停留場、下高井戸停留場が開業した。
    これにより現在の世田谷線区間の全線が開通した。


  • 下高井戸停留場について京王電気軌道株式会社と「京王電車停留場の乗降場共用に関する協定書」を交換


  • 玉川線渋谷接続での省線との連帯運輸開始

    玉川線側の連帯運輸範囲は渋谷接続で、大橋、三軒茶屋、玉電中里、駒沢、用賀、よみうり遊園、西太子堂、玉電若林、松陰神社前、世田谷、玉電山下、下高井戸の各停留場と省線各駅の相互間とされた。当初の発売券種は定期乗車券に限られていたが、1940年12月1日からは普通乗車券、手荷物、小荷物に広げられた。


  • 玉電山下・下高井戸停留場への出札所新設を届出

    玉電山下は上りホームを三軒茶屋方に移設、出札所は現在の「たまでんカフェ山下」の位置に設置。下高井戸は線路終端部を短縮して出札所を設置し、渡り線を三軒茶屋方に移設。


  • 玉電山下〜下高井戸間の上り本線撤去、単線化が認可

    撤去されたレール・電車線等の資材は相模鉄道神中線西横浜〜海老名間の複線化に使用される計画だった。六所神社前・七軒町停留場に交換設備が設置され、票券閉塞とされた。同区間は戦後複線に復された。


  • 玉川線三軒茶屋〜下高井戸間5.1kmを世田谷線と改称して運行開始

    三軒茶屋駅では5月10日の下高井戸行き最終電車(154-153編成)通過後、玉川線との線路を切り離し、ホーム部分を2面1線化する工事が行われた。起点は三軒茶屋交差点上の玉川線分岐器始端からホーム始端付近に移され、73.2m後退した。


  • 京王線下高井戸駅の橋上駅舎が完成

    駅事務室と定期券うりばが橋上駅舎に組み込まれたほか、ホームも改装された。また、橋上駅舎2階のテナント部分は完成時に、世田谷線のホーム・線路上は東急(9店舗)、京王線のホーム・線路上は京王(3店舗)による運営と整理された。


  • 全駅のホーム嵩上げ工事を実施

    2月10日終電後から11日初電前にかけて、全駅のホームを40cm嵩上げする工事が実施された。三軒茶屋駅はジャッキアップ、上町駅上りホームと山下駅上下ホームは木造桁、そのほかの駅は木造桁と発泡スチロールにより施工された。
    初電前に上町3:55発で307編成が三軒茶屋方面、305編成が下高井戸方面にそれぞれ確認試運転により車両限界や停止位置等の確認が行われたあと、11日は初電から定刻通り運転された。


  • 世田谷線三軒茶屋駅・下高井戸駅改札で自動運賃箱使用開始


  • 駅ナンバリング導入による駅名標更新が完了

    5月28日から順次交換され、5月31日夜に上町駅の交換をもって全駅の更新が完了した。


  • 下高井戸駅構内の分岐器交換により電気転轍機使用開始

    7月25日終電後に交換された。


設備の概要

 京王線下高井戸駅の橋上駅舎の下に、2面1線の頭端式ホームが設置されています。終端部に改札窓口と定期券発売機が設置された有人駅で、乗車ホーム入口には自動運賃箱が設置され、事前収受方式が採られています。乗車ホームの三軒茶屋方に設置された構内踏切は朝夕ラッシュ時のみ臨時口として解放されており、こちらにも改札窓口と自動運賃箱が設置されています。降車ホームは東西に通り抜けが可能な構造になっており、歩行者専用の自由通路としても活用されています。

  • 下高井戸駅ホーム全景/2023年7月23日 下高井戸駅
    下高井戸駅ホーム全景/2023年7月23日 下高井戸駅
  • 京王線と共用の下高井戸橋上駅舎/2023年7月23日 下高井戸駅
    京王線と共用の下高井戸橋上駅舎/2023年7月23日 下高井戸駅
  • 下高井戸駅名表示/2024年10月6日 下高井戸駅
    下高井戸駅名表示/2024年10月6日 下高井戸駅
  • 下高井戸駅臨時口改札/2024年10月12日 下高井戸駅
    下高井戸駅臨時口改札/2024年10月12日 下高井戸駅
  • 下高井戸駅乗車ホーム側駅名標/2024年10月12日 下高井戸駅
    下高井戸駅乗車ホーム側駅名標/2024年10月12日 下高井戸駅
  • 下高井戸駅改札口/2024年10月12日 下高井戸駅
    下高井戸駅改札口/2024年10月12日 下高井戸駅
  • 下高井戸駅世田谷線のりば全景/2024年10月12日 下高井戸駅
    下高井戸駅世田谷線のりば全景/2024年10月12日 下高井戸駅
  • 下高井戸駅ホーム全景/2024年10月12日 下高井戸駅
    下高井戸駅ホーム全景/2024年10月12日 下高井戸駅
  • 下高井戸駅ホーム全景/2024年10月12日 下高井戸駅
    下高井戸駅ホーム全景/2024年10月12日 下高井戸駅

世田谷線写真アーカイブから

 世田谷線写真アーカイブから下高井戸駅で撮影した写真を抜粋しています。

  • 下高井戸駅で京王6000系と並ぶ82-81編成/2000年3月21日 下高井戸駅
    下高井戸駅で京王6000系と並ぶ82-81編成/2000年3月21日 下高井戸駅
  • 下高井戸駅に停車中の上町行きの152-151編成/2000年8月28日 下高井戸駅
    下高井戸駅に停車中の上町行きの152-151編成/2000年8月28日 下高井戸駅
  • 下高井戸駅に入線する301編成/2023年7月23日 下高井戸駅
    下高井戸駅に入線する301編成/2023年7月23日 下高井戸駅
  • 下高井戸駅で京王線と並ぶ301編成/2023年7月23日 下高井戸駅
    下高井戸駅で京王線と並ぶ301編成/2023年7月23日 下高井戸駅
  • 下高井戸駅に到着する301編成/2023年7月23日 下高井戸駅
    下高井戸駅に到着する301編成/2023年7月23日 下高井戸駅
  • 下高井戸駅を発車する301編成/2023年7月23日 下高井戸駅
    下高井戸駅を発車する301編成/2023年7月23日 下高井戸駅