上町停留場、豪徳寺前停留場、宮ノ坂停留場、山下停留場、六所神社前停留場、七軒町停留場、下高井戸停留場が開業した。
これにより現在の世田谷線区間の全線が開通した。
世田谷線各駅紹介
山下駅
![sign_yamashita 世田谷線各駅紹介 [SG08]山下駅](https://setagaya-line.com/wp-content/uploads/2025/07/sign_yamashita.png)
開通当時の平面図
![yamashita_map1925 世田谷線各駅紹介 [SG08]山下駅](https://setagaya-line.com/wp-content/uploads/2025/01/yamashita_map1925.png)
現在の周辺地図
沿革
1925年5月の世田谷〜下高井戸間の開通と同時に開業しました。約2年後の1927年4月に小田原急行電鉄の豪徳寺駅が開業して乗換駅となりましたが、駅名は統一されることなく今日に至っています。世田谷線の敷設が先だったことから、小田急線は豪徳寺駅の前後だけ築堤を設けて世田谷線を跨ぐ形に敷設されました。なお、着工時の計画では現在の山下1号踏切道付近に前田停留場が設置される予定でしたが、1925年頃には小田急線の用地買収が進み、ルートが具体化してきたことから、この計画を廃止して現在地に山下停留場が設置されることになりました。
前田は当時の世田ヶ谷町大字松原字前田周囲から、山下は松澤村大字松原字山下から名付けられています。この山下の集落は、北側は前谷戸、南側は常徳院のあたりが殿山、豪徳寺のあたりが大谿山の字名がついた高台の谷間、山の下に位置していることが地名の由来とされています。かつては大雨が降ると山下に目がけて大水が流れ込み、度々冠水していたといいますが、現在は治水の向上により改善されています。
1939年10月に玉電山下停留場に改称されましたが、これは省線(現:JR線)との連帯運輸を開始するにあたり、省線と連絡していた信貴生駒電鉄の山下駅や宮城電気鉄道の宮電山下駅との重複を避けるためと考えられます。この当時は東京市内にも王子電気軌道の山下停留場(現:栄町停留場)が存在していました。この連帯運輸の開始に伴い、1940年には上りホームに出札所が設置され、係員が配置されました。この頃までに豪徳寺駅との連絡通路にあわせてホームの位置が三軒茶屋方に少し移動したようです。
戦時体制下の不要不急路線の整理の一環として、1944年頃から山下〜下高井戸間の上り線を撤去して単線運転が行われることになり、下高井戸方に渡り線が設置されました。戦後すぐに上り線は再敷設されましたが、渡り線は残置され、1969年5月まで玉電山下折返しの電車が設定されていました。1947年8月撮影の空中写真では三軒茶屋方にホームが延伸されており、当時は2両連結運転の開始前でしたが、折返し運転用に2両分のホーム長が確保されたようです。世田谷線への移行後も異常時用に残されていましたが、1980代前半に撤去されています。なお、世田谷線への移行と同時に連絡運輸が廃止されたことから、駅名から「玉電」が外され山下駅に再改称されています。
1993年7月には増収策の一環として、出札所の跡地に2階建ての店舗棟が建設されました。当初はケンタッキーフライドチキンが出店し、その後ドトールコーヒーショップに替わり、現在はたまでんカフェ山下が営業しています。
2001年にはバリアフリー化によるホームの嵩上げにあわせて駅施設の改築工事が行われ、玉電時代からのホーム上家が姿を消しました。
玉電歴史年表・世田谷線データベースから(玉電)山下駅(停留場)に関する出来事を抜粋しています。
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山下停留場を玉電山下停留場に改称
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玉川線渋谷接続での省線との連帯運輸開始
玉川線側の連帯運輸範囲は渋谷接続で、大橋、三軒茶屋、玉電中里、駒沢、用賀、よみうり遊園、西太子堂、玉電若林、松陰神社前、世田谷、玉電山下、下高井戸の各停留場と省線各駅の相互間とされた。当初の発売券種は定期乗車券に限られていたが、1940年12月1日からは普通乗車券、手荷物、小荷物に広げられた。
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玉電山下・下高井戸停留場への出札所新設を届出
玉電山下は上りホームを三軒茶屋方に移設、出札所は現在の「たまでんカフェ山下」の位置に設置。下高井戸は線路終端部を短縮して出札所を設置し、渡り線を三軒茶屋方に移設。
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玉電山下駅を山下駅に改称
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山下駅上りホーム隣接地にケンタッキーフライドチキン山下店がオープン
山下駅上りホーム裏手の空き地に2階建ての店舗棟が建設され、ケンタッキーフライドチキン山下店(1996年閉店)がオープンした。
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山下駅店舗棟に「たまでんカフェ」がオープン
設備の概要
2面2線のホームで、上下ホームとも出入口は三軒茶屋方と下高井戸方にそれぞれ設けられており、全ての出入口にスロープが設置されています。下高井戸方には構内踏切が設置され、上下ホームが結ばれています。上りホームの下高井戸方には2階建ての店舗棟が建てられており、1階ではたまでんカフェ山下が営業しているほか、乗務員詰所も設置されています。2001年以降に改築されたホームの壁面には駅ごとにカラーが設定されており、同駅は青色のラインが配されています。
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山下駅店舗棟入口の駅名表示/2024年10月6日 山下駅
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店舗棟1階で営業する「たまでんカフェ山下」/2024年10月6日 山下駅
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山下駅上りホーム駅名表示(下高井戸方入口)/2024年10月6日 山下駅
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山下駅下りホーム駅名表示(下高井戸方入口)/2024年10月6日 山下駅
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山下駅下りホーム駅名標・アストロノオト駅名看板/2024年10月6日 山下駅
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山下駅上りホーム駅名表示(三軒茶屋方入口)/2024年10月6日 山下駅
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山下駅下りホーム駅名表示(三軒茶屋方入口)/2024年10月6日 山下駅
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ガーデントラム山下全景/2025年8月14日 山下駅
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山下駅店舗棟入口/2025年8月14日 山下駅
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山下駅上りホーム全景(三軒茶屋方)/2025年8月14日 山下駅
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山下駅下りホーム全景(三軒茶屋方)/2025年8月14日 山下駅
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山下駅全景(三軒茶屋方)/2025年8月14日 山下駅
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山下駅全景(下高井戸方)/2025年8月14日 山下駅
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下りホーム裏のガーデントラム山下/2025年8月14日 山下駅
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山下駅上りホーム全景(三軒茶屋方)/2025年8月16日 山下駅
世田谷線写真アーカイブから
世田谷線写真アーカイブから山下駅で撮影した写真を抜粋しています。
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山下駅に停車中の86-83編成/1999年5月30日 山下駅
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山下駅に停車中の74-73編成/2000年3月30日 山下駅
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山下駅に停車中の152-151編成/2000年3月30日 山下駅
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山下駅に進入する74-73編成/2000年3月30日 山下駅
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夜の山下駅に停車中の154-153編成/2000年8月11日 山下駅
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山下駅に停車中の82-81編成玉電塗装/2000年12月21日 山下駅
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山下駅に停車中の82-81編成玉電塗装/2000年12月21日 山下駅
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山下駅に停車中の310編成/2001年7月23日 山下駅
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山下駅に停車中の309編成「グローリア賞」/2002年2月5日 山下駅
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山下駅に停車中の304編成/2002年2月5日 山下駅
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山下駅で307編成と310編成のSDGsトレイン同士が並ぶ/2023年4月27日 山下駅
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山下駅に停車中の301編成「『玉電カラー』電車」/2023年7月2日 山下駅