東京急行電鉄 デワ3030形(デワ3031号) 1943年〜1951年
デト3030形(デト3031号) 1951年〜1967年

東京急行電鉄 デワ3030形(デワ3031号)→デト3030形(デト3031号) 1943年〜1967年

 1941年10月に廃車された電動貨車1〜5号の代替として、1943年2月に東急京浜線から玉川線に転入しました。元々は京浜電気鉄道時代の1924年9月に1009号として横浜船渠で製造された有蓋電動貨車で、1937年9月にデワ1009号、1942年5月にデワ5013号に改番後、玉川線への転入にあたり台車を1,435mm軌間から1,372mm軌間に改軌のうえで入線しています。なお京浜電気鉄道では1933年4月に1,372mm軌間から1,435mm軌間に改軌されており、同車にとって2回目の1,372mm軌間となりました。
 1951年3月には車体をほぼ作り替え、無蓋電動貨車に改造され、デト3030形デト3031号に改番されました。1954年の二子玉川園再開園の際には花電車として運行されたほか、社用品の輸送に使用されましたが、1967年6月に廃車されました。同車の廃車により、砂利輸送を目的に開通した玉川・砧線から貨物用車両が全て姿を消しました。

玉電歴史年表から

 玉電歴史年表からデワ3030形・デト3030形に関する出来事を抜粋しています。


  • 【日不詳】京浜線からデワ3031号が転入

    ※実施日が不詳のため、月末である28日で登録しています。
    有蓋電動貨車として東急京浜線から転入した。京浜電気鉄道では1924年9月、1009号として横浜船渠で製造後、1937年9月にデワ1009号、1942年5月の東京急行電鉄との合併時にデワ5013号となっていた。


  • 集電装置をトロリーポールからビューゲルに取替完了

    5月14〜15日に全車両のトロリーポールからビューゲルへの一斉取替えが行われた。


  • デワ3031号を無蓋電動貨車に改造、デト3031号に改番


  • デト3031号が廃車

    これによりデト3030形は形式消滅し、砂利輸送を目的に開通した玉川・砧線から電動貨車を含む全ての貨車の配置がなくなった。


主要諸元表

デワ3031号入線時の車両竣工図表に記載されたデータを掲載しています。

最大寸法長さ12,230mm×幅2,242mm×高さ3,916mm
自重18.2t
積載容量44立方メートル
集電装置トロリーポール
台車ペックハム
駆動方式吊掛式 歯車比64:21=3.04
主電動機GE-57-A 直流直巻補極付 出力74kW
制御装置直並列直接制御器
ブレーキ装置手用制動機
直通空気制動機
点灯装置常用灯:9個
製造所横浜船渠